2022/07/05
おかげさまで、弊社は今期で26周年を迎えました。
現在まで様々な製品を開発して参りましたが、弊社の主力製品である「天然スタイル土壁」の開発秘話などをお伝えさせて頂きます。
発売を開始したのは2006年。発売を開始して約16年になります。
開発の際に大切にした点は
①施工性の良さ、工程をシンプルに
②簡易にできる補修
③ゴミを出さない
今回は③の「ゴミを出さない」についてお伝えします。
開発当初、一般的に左官材料は本体に色がついているものが完売されているのが主流で、
弊社も同様に色がついているものを製造販売していました。
しかし、問題点もありました。
例えばカラーが20色あると、20色分の在庫が必要になります。
20色分の在庫を保管する際、パレットなどに積載して保管するわけですが、
パレットが最低でも20枚必要で保管面積も必要になってきます。
これらの問題を解決するために、色々と考えました。
本体は「白」でつくり、現場で色粉を混ぜて使えば、保管面積が極端に減らすことができるし
施工される方の負担軽減ができるのではないかと考えました。
しかし、現場やプロなどからは猛反対!
■色を現場で混ぜるのは「面倒」
■色が均一に混ざらないじゃないのか?
などなど・・・。
それから販売を開始して、皆様に慣れて頂き現在に至ります。
先週、販売当初より「天然スタイル土壁」の施工をおこなっている会社の社長から言われました。
「改めて天然スタイル土壁について思うのは、ゴミがでないんですよね!」
私は開発当初に考えたことをすっかり忘れてしまっていました。
その 工事会社の社長から、詳しくお話を聞くと...
「他の製品で色が混ざっている製品を使うが、購入した量の7~10%くらいは余ってしまって、産業廃棄物として捨てている。
色がついていると、他の現場で使いまわしができないため、捨てるしかない。
でも、天然スタイル土壁は在庫になっても色粉を頼めば、また混ぜて使えるし廃棄する費用もかからない」
材料が多く産業廃棄物として、ゴミになってしまっている現状を知りました。
そこで、もし天然スタイル土壁を色付き商品のまま販売を続けていたら
どのくらいの産業廃棄物になってしまっていたかが気になり、今までの販売量を計算してみました。
年間の出荷は約200トン、その内7%が廃棄されていたとすると、年間に約14トンは廃棄されている計算になります。
この量が16年間廃棄されていたとすると、トータルで220トン。10トントラック22台分となります。
これだけ多くの材料が捨てられていたという計算が成り立ちます。
改めて計算すると、「白」での販売をすることで、かなりの廃棄量を削減していると実感しました。
現在我々が直面している「ゴミ問題」
SDGsの目標12 「つくる責任 つかう責任」にあるとおり、企業もつくる段階から責任が発生しています。
さらに本年より、「天然スタイル土壁」の箱につけているPPバンドを100%リサイクル品へ変更しました。
まだまだできていない部分も多いのですが、これからもサステナブルなものづくりに取り組んで参ります。私たちのGOMITAIJIにご期待ください。
※写真奥は一般的なPPバンド、手前の青緑色は100%再生PPバンド。
日本エムテクス株式会社
代表取締役 三浦征也